「劇場版 機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編」の感想・レビュー
劇場版 機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編
「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編」はTV版の第三十一話(の途中)~第四十三話までを纏めた内容になっていました。
「めぐりあい宇宙編」の「宇宙」の部分は「そら」と呼ぶようです。
「機動戦士ガンダムI (砂の十字架編)」、「機動戦士ガンダムII 哀・戦士編」と同様に一部に話の内容や順序の変更、新しいシーンの追加、台詞の変更などが見られました。
劇中ではビグロ(※)、ザクレロ、ブラウ・ブロ、ギャンの出番がありませんでした。ザクレロは好きなモビルアーマーだったので出番が無かったのは残念です...。ザクレロが登場する話は話としては重要な話では無いので削られるのは仕方が無いと思いつつも...。
(※ビグロはア・バオア・クーに配備されていたようですが、ジャブローから宇宙に上がった後のガンダムとの戦闘(出番らしい出番)が無くなっていました。)
舞台が宇宙となったためか、ガンタンクがホワイトベース隊の戦力から外されていました。TV版では出ていたのですが...。宇宙では活躍し難いのは分かりますが、やはり、出番が無いのは寂しく感じます...。
劇場版ではTV版と違って宇宙の事を「そら」と呼ぶ事が多くなっていました。また、何かと「ニュータイプ」と言う言葉が使われるようになっていました。
ムサイ艦隊突破
TV版と違いガンキャノンが二機になってました。それぞれに番号が付けられていて、「108」がカイ機、「109」がハヤト機になっているようでした。まさか、ハヤトがガンキャノンに乗る事になるとは...。
コアブースターが二機になってました。コアブースターにも番号が付けられていて、「006」はセイラ機、「005」がスレッガー機になっているようでした。
ホワイトベースのブリッジのシャッターは閉じた後も外が見えるようになっていました。TV版でもそうだったかと言うと...残念ながら憶えていません...。時間があれば見直したいところです。
サイド6
劇場版ではホワイトベース隊は「次の作戦(ソロモン戦)までの陽動のため」にサイド6を訪れていました。
ガンダムのパイロットがアムロである事をテム・レイが知る場面ではアムロの片手にお見舞い(?)の品のようなものがありました...。酸素欠乏症のお見舞いでしょうか...。
テム・レイの部屋には組み立て中のハロがありました。もしかするとハロは、アムロが独自に作ったものでは無く、「組み立てキット」として出回っているものなのでしょうか...。箱にはGARAKUTAの文字がありまた。
TV版にあったララァが雨上がりに裸足で走る場面は劇場版では新しいものに変えられていました。しかし、新しい方ではララァの足に確りと靴が...。姫としては裸足の方がララァらしさ(?)が出ているように思うのですが...。
シャアとララァとがサイド6でアムロと出合う場面では2人が乗っていた車がTV版とは異なっていました。車が変わった理由は分かりません...何か意味があるのか、それとも何と無くなのか...。
リックドム対ガンダム
ガンダムがコンスコンの乗るチベを沈めるためにチベの艦体にビームサーベルを突き刺す場面では、ビームサーベルを突き刺す箇所が一箇所に変わっていました...。TV版では二箇所にビームサーベルを突き刺していたのですが...チベの心臓の位置が変わったのでしょうか...。
ガンダムは足の裏からも火が出るようになっていました。(これはドレンのムサイ艦隊との戦いの時にも僅かに出ていたように記憶しています。)
テム・レイの症状は劇場版の方が悪いように感じられました。
テム・レイは最後はアムロとガンダムとの活躍に喜び過ぎて階段から落下...そのまま動かなくなっていました...。これは死亡したと捉えて良いのでしょうか...。TV版では死亡したかのような描写は無かったのですが...。
テキサス
ギレン・ザビの隣にいた女性はギレン・ザビの秘書でしょうか...。凄く綺麗な人でした。TV版では登場が無かった人物です。
ホワイトベース隊はソロモンでの戦いが行われる前にテキサスに寄っていました。目的は偵察との事です。TV版では先にソロモン戦があり、その後、ソロモンを抜け出したジオンの討伐を行う中でテキサスに寄っていたのですが、劇場版では順序も目的も変えられていました。
偵察に出たガンダムはシールドが無い状態でした。TV版ではギャンとの戦いでギャンにシールドを破壊されていましたが、劇場版ではギャンは登場せず、シールドを失うような場面はありません。そのため、シールドが無いと言う事は無いと思うのですが...偵察に出る際に、何故、携行しなかったのでしょうか...。
幌馬車の中の人物は誰なのだろうと思って見ていたところ、それはフラナガンだったのですが(もう一人は助手でしょうか)...このフラナガン、姫の知っているフラナガン(TVシリーズでのフラナガン)とは似ても似つかず、まるで別人のようでした...。分からない筈です...。
テキサス入り口の爆破トラップ、テキサス内部の敷設機雷などは誰が仕掛けたのでしょうか...。劇場版ではマ・クベは登場していませんが...。気になるところです。
ゲルググがTV版では見せなかった突きでの攻撃を出していました。まるでギャン(劇場版では登場しない)にでもなったかのように...。
ゲルググの薙刀状の武器の刃がテキサスの時点から既にビーム状の刃になっていました。TV版ではこの武器はテキサスの時点では実剣であり、ビーム状の刃になったのはその後の宇宙でのガンダム戦からだったのですが...。
テキサスの内部に仕掛けられていた核地雷原が爆発した場面では何故か(TVシリーズで)ギャンが爆発した時と同じ形の爆発が起こってました...。
シャアがゲルググを捨てる場面では、ゲルググの右脇腹に損傷が見られました...。TV版ではガンダムにやられて同箇所を損傷していましたが...劇場版では何時何処で付いたのでしょうか...。
ゲルググを捨てた後のシャアは何故か白馬に乗っていました...TV版では自らの脚で走っていたのですが...。
TV版ではジオン・ダイクンの死因に就いては触れられていませんでしたが、劇場版でのセイラとシャアとの会話からするとそれは「心臓発作」だったようです。
ジオン・ダイクンの死がデギン・ザビの仕組んだものなのかどうかに就いては証拠と呼べるものは何も無いようです。TV版の時点ではデギン・ザビがジオン・ダイクンを殺したものと思って見ていましたが、これは...ジンバ・ラルの思い込みであり、死因は「ただの心臓発作」だった...と言う事もありそうです。
ソロモン
ガンダムと同じでガンキャノンも足の裏から火が出るようになっていました。
ソロモン戦でハヤトのガンキャノン109が撤退していましたが、このガンキャノンの撤退による戦力の低下は11パーセントとの事でした。これはTV版でガンタンクが撤退した時と同じ数値です。ガンキャノンとガンタンクとは戦力的にはほぼ同じと言う事なのでしょうか...。
ララァが軍服姿を披露していました。色はオレンジ色でした。(TV版ではララァの軍服姿はありませんでした。)
ワッケイン司令のマゼランが沈みかけていたようですが...これはワッケイン司令は死亡したと解釈して良いのでしょうか...。映像を見た限りでは生死ははっきりとは分かりませんが...。
スレッガーは搭乗機がコアブースターになってもTV版とは変わらずにビグ・ザムに突進して死亡していました。ただ、死亡した場面を比べると、TV版では突進したところをビグザムの爪に刺されての死亡だったのに対し、劇場版ではビグ・ザムに体当たり攻撃を成功させての自爆による死亡となっていました。
ドズル・ザビがビグ・ザムの上でガンダムにマシンガンを乱射しながら言った台詞...TV版では「やられはせんぞー、やられはせんぞー貴様ごときに。やられはせーん。ジオンの栄光、この俺のプライド。やらせはせん。やらせはせん、やらせはせんぞー」だったのですが、それが劇場版では「やらせはせんぞ、貴様ごときモビルスーツにジオンの栄光をやらせはせん。俺がいる限りはやらせはせんぞー」になっていました。姫としてはTV版の方が好きなのですが...変わってしまった事が残念です。
ドズル・ザビから出る悪魔のような謎の影が、TV版では黒っぽかったのに対し、劇場版では白っぽくなっていました。また、TV版では謎の影に目がありましたが、劇場版ではそれが無くなっていました...。何故、謎の影の姿が変わったのかは分かりませんが、TV版と劇場版とではドズル・ザビに何かの(例えば心的な)違いがあり、それがこの違いを生んだと言う事なのでしょうか...。
対エルメス
デギン・ザビがギレン・ザビに対して言った言葉がTV版の「ヒットラーは敗北したのだぞ」から「ヒットラーは身内に殺されたのだぞ...」に変わっていました。キシリア・ザビに殺される事を予言したかのような台詞になっています。
連邦軍ではソロモンの事を「コンペイトウ」と呼んでいました。TV版には無かった呼び名です。
エルメスが出す(?)「ラ・ラ~」と言う音が、TV版では「声らしきもの」だったのに対し、この劇場版ではそれが「音らしきもの」に変わっていました。姫はTV版の音の方が好みに合っていたのですが...。
ホワイトベースで半間休息中のセイラの入浴シーンが何故か書き直されていました...。
ガンダムへのマグネットコーティングはいつの間にか施されていました...。
ララァはキシリア・ザビの前でも軍服姿であり、そのお陰でTV版でのようなお小言を貰わずに済んでいました。
シャアは、TV版とは違い、キシリア・ザビの前でマスクを取って素顔を見せていました。正体を知られているのはTV版も劇場版も変わらないのですが、何故、劇場版では素顔を見せ、TV版では素顔を見せなかったのかが気になるところです。TV版と劇場版とでシャアの心境に何か違いがあるのでしょうか...。
エルメスの爆発がTV版よりも大きなものになっているようでした。劇場版のエルメスはTV版とは何か違うところがあるのでしょうか...。
劇場版ではララァが死んで撤退するシャアがゲルググのコックピット内で泣いていました...。TV版ではコックピットを叩いて悔しがっていただけでした。
ア・バオア・クー
劇場版ではア・バオア・クーにビグロ(見た限りでは四機)が配備されていました。(TV版ではブラ・ウブロの配備が確認出来る場面はありませんでした。)
劇場版では、TV版とは異なり、ア・バオア・クーでのブラウ・ブロの配備を確認出来る場面はありませんでした。
ア・バオア・クーに白の角付きのザクの姿がありました。
連邦軍は、TV版とは異なり、ガンキャノンも量産していたようです。カイとハヤトのガンキャノン以外にも出撃していました。
劇場版ではシャアがジオングの頭部から脱出するところがきちんと描かれていました。TV版ではその辺りは描かれていなかったため、何時の間にか脱出していた事になっていたのですが...。
セイラがコアブースターを乗り捨てた後、セイラの後ろにGファイターが見えたのですが、一体、誰の搭乗機なのでしょうか...。
キシリア・ザビのザンジバルが沈んだ時にその爆発の中から脱出する影がありましたが、これはシャアの影だと思われます。TV版でのこの場面はシャアがザンジバルの爆発に巻き込まれたのでは無いかと思って見ていたのですが...劇場版ではきちんと脱出する姿が描かれていました。
横たわるガンダムから上半身が飛んで行った後の「ガンダムの下半身とコアファイターとの接続関係」が劇場版では正しく(?)修正されていました。やはり、TV版でのコアファイターの付き方は間違いだったと言う事なのでしょうか...。
アムロがコアファイターに乗ってア・バオア・クーから脱出して来る場面では、コアファイターのコックピットを護っていた(?)板がTV版のそれよりも小さなものになっていました。何故なのかは分かりません...。
エンディングで出ていたグワジンの窓にシャアのような人影が描かれていました。TV版ではこう言った描画は無く、生死不明だったのですが、劇場版ではシャアはア・バオア・クーを生きて脱出したと考えて良いようです。
謎の言葉
最後に「And now... in anticipation of your insight into the future.」と言う謎の文字列が表示されていました。見たところ英語のようですが、これは、英語が分からない人にとっては見せられても少々困ってしまうところでは無いかと思います。
「ガンダム」はTVシリーズの主題歌・エンディング曲を見ると歌詞に漢字すら殆ど使われていません。その事から、英語どころか、平仮名と簡単な漢字が読める程度の人を対象の下限としている作品だと思っていたのですが...。ここでの英語の使用から考えるとその認識が間違っていたと言う事なのでしょうか...。それとも、どこかの段階で対象の下限が「英語が分かる人」に切り上げられていたと言う事なのでしょうか...。どちらにせよ、少なくとも日本人向けに作った作品である事には間違い無いと思いますので、ここは、英語が読めない人を疎外するような真似などせず、日本語で書くか、そうでなければ、せめて日本語訳を付けておいて欲しかったところだと思います...。
何故、作り手はここでわざわざ英語を用いたのか、何か理由があっての事なのか、そうだとするならそれは、一体、何なのか...ここでは英語の内容よりもそちらの方が余程気になりました...。
機動戦士ガンダムIII・主題歌 「めぐりあい」
- 作詞 : 井荻麟・売野雅勇
- 作曲・歌 : 井上大輔
- 編曲 : 鷺巣詩郎
「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編」の主題歌「めぐりあい」...曲の全体的な雰囲気は良いと思いましたが、サビの部分が英語だらけだったは残念なところでした。意味が上手く取れません...。英語が苦手な人間にとってはその響きを楽しむだけの曲になってしまっているように思います...。