第49話「最後の勝利者」の感想・レビュー

新機動戦記ガンダムW 第49話「最後の勝利者」

第49話「最後の勝利者」は愚かな戦いを行った結果、人々の心が動き、宇宙と地球がお互いに平和への道を歩き始めようとするお話。最終回です。

ヒイロ・ユイとゼクス・マーキス

ヒイロ・ユイとゼクス・マーキスの戦いが始まっていました。

ゼクス・マーキスはヒイロ・ユイとの戦闘中のおしゃべりの中で全ての兵器を排除する事と人々から戦う意思を取り除く事が完全平和の条件であり、リーブラを地球に落とすのも完全平和のためだと言っていました。この対してヒイロ・ユイは、ゼクス・マーキスの方法では「地球を失った人々はゼクスを憎み、コロニーはゼクスを頼る」事になり、この構図は戦いを生むものだと反論。でも、ルクレツィア・ノインの話ではゼクス・マーキスは人類粛清の罪を1人で被るつもりでいて、ここを死に場所と決めているようなので、ゼクス・マーキスの予定通りに事が進めばこの構図にはならないようです...。ゼクス・マーキスが死を覚悟している事はヒイロ・ユイも気づいているらしく...それなのにゼクス・マーキスが生き残った前提で話をすると言う事は...ヒイロ・ユイはゼクス・マーキスに死を選ばせるつもりは無いのかな...。

ヒイロ・ユイとゼクス・マーキス、ウイングゼロとガンダムエピオンの戦いはレディ・アンの指示によって地球圏全てに映像として送信されていました。レディ・アンは送信される映像と共に、両者がコロニーを守るために戦っている事と、これが平和のための悲しい戦いである事を説明し、世界に平和を訴えかけていました。

ヒイロ・ユイとゼクス・マーキスの戦いが続く中、5人のガンダムの技師達はピースミリオンへと入り込む事に成功し、地球への降下を目指すリーブラの軌道を逸らすためにピースミリオンに火を入れていました。ヒイロ・ユイとゼクス・マーキスは相変わらず言い合いをしながら互角に戦っていたけど、ピースミリオンに火が入ってリーブラを足場にしていたヒイロ・ユイに隙が出来るとゼクス・マーキスはそれを逃さずにガンダムエピオンのビームサーベルをウイングガンダムの喉下に突きつけていました。そしてこれで勝負ありかと思ったら...そこにルクレツィア・ノインの白トーラスが放った砲が誤射でガンダムエピオンの背中に当たり...今度はヒイロ・ユイがその隙を逃さず、逆にウイングゼロのビームサーベルがガンダムエピオンの喉下に突きつけられていました。...2人とも喉下にビームサーベルを突きつけていたけど、それよりもコックピットに突きつけた方が効果があると思う...モビルスーツの首を落としたところで機体が爆発する訳でもなければ行動不能になる訳でもないのに...。

コロニーは今まで態度を曖昧にしてホワイトファングと世界国家の争いに関わろうとしなかったけど、2機のガンダムの戦いとレディ・アンの平和への訴えがコロニー代表団を動かしたみたいで、コロニー側からは世界国家の敗北宣言を受けての声明が発表されます。コロニー代表団はコロニー全ての一致を得た決議としてホワイトファングに要求の撤回を求め、更に地球の世界国家との共存を望み、いかなる理由においても戦闘行為を廃止する事を宣言していました。そして地球にも同調を求めていました。

コロニーが地球との平和に目を向けた事でヒイロ・ユイとゼクス・マーキスが戦う事の意味は無くなり、2人の戦いもこれで終わりかと思ったら...ゼクス・マーキスはヒイロ・ユイとの決着を望み戦闘を継続。戦う理由はヒイロ・ユイの「人類皆弱者」の考えに賛同出来ず、自分が弱者であると認めたくないからのようでした...。でも、本当はこの戦いによる死を望んでいるだけ?なのかも...そんな感じがしました。

リーブラはピースミリオンの噴射で無事に地球から離れて行ったけど、Aブロックだけは本体から外れて落下を続けていました。落下するのがAブロックだけでも地球は寒冷化するみたいです...。

ヒイロ・ユイとゼクス・マーキスは地球へと落下するリーブラのAブロックの中で戦闘を続けていました。そして最後はヒイロ・ユイのウイングゼロがゼクス・マーキスのガンダムエピオンの左腕を切り落とす事で勝負は決着。ヒイロ・ユイはその気になればガンダムエピオンを撃墜出来たみたいだったけど、リリーナ・ピースクラフトが悲しむと言う事でゼクス・マーキスを殺さなかったようです。

ゼクス・マーキスとの勝負が決着した後、ヒイロ・ユイはカトル・ラバーバ・ウィナーからヒイロ・ユイのいるリーブラのAブロックが地球に落下し続けている事を知らされます。ヒイロ・ユイはウイングゼロでリーブラのブロックの動力システムの破壊に回り、リーブラのAブロックに到着した他の4機のガンダムもそれぞれが破壊活動を行ってました。

動力システムに到着したヒイロ・ユイはウイングゼロのバルカンを撃とうとするけど弾切れ、残された手段として自爆を敢行しようとします。そこにゼクス・マーキスのガンダムエピオンが現れます。ヒイロ・ユイの前に姿を現したゼクス・マーキスはガンダムエピオンのビームサーベルを動力炉に刺して動力システムを爆発させていました。ゼクス・マーキスは誰よりも厳しく戦士としてどこまでも生き抜いてみせる事を宣言し、ヒイロ・ユイに再開の意志を告げるとガンダムエピオンと共に爆発の炎の中に消えていました。

ゼクス・マーキスが動力システムを破壊した後もリーブラのAブロックの一部は落下を続け、ガンダムは全機離脱、Aブロックの一部は大気圏へと突入して行きます。大気圏へと突入したAブロックの一部に対してヒイロ・ユイは五飛のアルトロンガンダムから受け取ったウイングゼロのバスターライフルを手に大気圏に突入。そして先回りしてAブロックの正面からバスターライフルを発射し、一撃でこれを撃墜していました。撃ち落されたAブロックの一部は小さくなり飛び散ったけど、これは大気圏で燃え尽きるから問題ないみたい。撃墜後、ヒイロ・ユイのウイングゼロは飛行形態に変形して大気圏から無事に抜け出し、Aブロックの破片は流星となって地球に降り注いでいました。

MO2

敗北したMO2では兵とモビルスーツを回収していました。モビルスーツは回収と同時に全て破壊するつもりのようです。全ての兵器はこの地球圏に残しておいてはならない...それがトレーズの意志であり、残った人達もそれをそれを引き継いでいるみたい。

リリーナ・ピースクラフトとレディ・アン

リリーナ・ピースクラフト、ハワード、サリィ・ポゥはMO2に回収されていました。

リリーナ・ピースクラフトと再開したレディ・アンはリリーナ・ピースクラフトに銃を差し出して父の敵を晴らす機会を与えます。でも、リリーナは復讐も戦いも終わりにしようと言い、父ドーリアンを殺したレディ・アンを許していました。

デュオ・マックスウェル

デュオ・マックスウェルはピースミリオンに5人のガンダムの技師達を運んだ後、ビルゴ隊を相手に戦闘を行い、その後、地球に降下するリーブラのAブロックの破壊に回っていました。

トロワ・バートンとカトル・ラバーバ・ウィナー

トロワ・バートンはドロシー・カタロニアとお話しながらモビルドールの制御システムを壊していました。これによって全てのモビルドールは停止していました。

ドロシー・カタロニアに腹部を刺されて意識を失っていたカトル・ラバーバ・ウィナーだったけど、無事に意識を回復していました。その後、トロワ・バートンの肩を借りてモビルドールの制御室を後にしていました。カトル・ラバーバ・ウィナーは部屋から去る時もドロシー・カタロニアの事を心配していました。

トロワ・バートンとカトル・ラバーバ・ウィナーはリーブラからそれぞれのガンダムに乗って脱出し、その後はリーブラのAブロックの破壊に回っていました。

カトル・ラバーバ・ウィナーは大気圏を落下するAブロックを破壊したヒイロ・ユイを見て宇宙の心はヒイロだったと言う事を分かっていました。

五飛

五飛はリーブラのウイングゼロにバスターライフルをお届けしていました。あまり出番がありませんでした。

ルクレツィア・ノインとレディ・アン

MO2からルクレツィア・ノインに連絡を取ったレディ・アンがルクレツィア・ノインにヒイロ・ユイとゼクス・マーキスの戦いの映像をMO2に送るようにとお願いする場面で、レディ・アンはルクレツィア・ノインに対して「こちらの回線に回せ」と言う言葉を使い、それを「命令ではないよ、頼んでいるのだ」と言っていたけど、だったら最初からもっとお願いっぽく言えば良いのに...。「こちらの回線に回して頂けないでしょうか」みたいな感じでお願いしていれば余計な誤解(?)を生まなくて済んだと思うけど...。ルクレツィア・ノインがレディ・アンの言葉を命令だと認識するのも当たり前のような気がする...。

ガンダムの5人の技師達

ガンダムの5人の技師達はデュオ・マックスウェルのガンダムデスサイズヘルでピースミリオンに運ばれた後、カーンズに邪魔されながらもピースミリオンに火を入れてリーブラ本体の地球落下を阻止していました。

カーンズの話では5人のガンダムの技師達はオペレーションメテオ開始時にパイロットの命令内容を変更していたみたいです。

リーブラが地球から離れた後の5人の技師達とカーンズの安否は不明のままです。みんな無事なのかな...。

マグアナック隊

マグアナック隊は途中からリーブラのAブロックの破壊に加わっていました。カトル・ラバーバ・ウィナーとは一蓮托生らしいです。

完全平和に必要なもの

ゼクス・マーキスは最初は完全平和のために必要なものとして「全ての武器を捨て去る事」と「戦争をしたくないと言う心」の2つを挙げていたけど、ヒイロ・ユイとの戦いが終わった後にそこにもう1つの必要なものを加えていました。それは「人を思いやり理解してやる強い心」...らしいです...。

戦後

地球(世界国家)と宇宙(コロニー)は「地球圏統一国家」になるらしいです。

ゼクス・マーキスとトレーズ・クシュリナーダのお墓は並べて建てられていました。

ドロシー・カタロニアはトレーズ・クシュリナーダのお墓参りに来ていました。そこにルクレツィア・ノインもやって来ていたけど、ルクレツィア・ノインはゼクス・マーキスのお墓には花を添えないでいました。ゼクス・マーキスはどこかに生きているに違いないと思っているようでした。

ルクレツィア・ノインはお墓でドロシー・カタロニアに会った時に「今日も来ていたのか」と言っていました。今まで頻繁に訪れていたみたい。でも、この日が最後のようです。振り返る事に飽きたらしいです...。

ヒイロ・ユイはリリーナ・ドーリアンの誕生日にさりげなくクマのヌイグルミ(メッセージカード付き)を置いて行くような人間になっていました...。

リリーナ・ピースクラフトは外務次官を務めていました。地球と宇宙のパイプ役のようです。「ドーリアン外務次官」と呼ばれているところを見ると「ピースクラフト」の名前は使っていないみたい。

飛行機の座席にこっそりと誕生日プレゼントを置いて立ち去ろうとしているヒイロ・ユイを見つけたリリーナ・ドーリアンはヒイロ・ユイに向かってお誕生日のメッセージカードを破いて見せていました。「今度はちゃんと手渡しなさい」と言う事らしいです。以前はリリーナ・ドーリアンの渡した誕生パーティーの招待状をヒイロ・ユイがリリーナ・ドーリアンの目の前で破いていたのに...一年経ってそれが逆になっていました...。

最後には「JUST COMMUNICATION」が流れていました。オープニング・テーマが変わってそんなに経っていないのにちょっと懐かしい感じがしました。

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